新日本語の基礎


ツイッターで、海外で働きたいという日本語教師の卵のために、海外で働いている日本語教師が自分の境遇を紹介することが必要ではないか、というツイートを見かけたため、まず自分が紹介します。

性別は?
年齢は 37
結婚していますか? いいえ
日本語教育能力検定に合格しましたか? はい
420時間の日本語教師育成講座を受講しましたか? いいえ
台湾へ来て何年ですか? 9年
学校の規模は? 全国規模
おそらく教師数百人
教えているレベルは?
「新日本語の基礎」でたとえると?
新日本語の基礎Ⅰ
他に読解と日本語能力試験
一週間当たりの労働時間は? 12時間半
月収は? 約18,000元(約46,000円)
副業がありますか? あります
授業で中国語を使いますか? 基礎レベルでは約50%
学生から要望があるので。
仕事でうれしいことは? 生徒の進歩を見ること
生徒と仲良くなれること 
仕事で大変なことは? 同じ授業でも、季節によって学生の数が全然違うこと
レベル分けがないので、学生のレベルが一定ではないこと
突然担当するクラスを変えられたり、減らされたりすること
生徒によって授業に対する要望が違うこと 
これからも日本語教師を続けるつもりですか? いいえ
日本へ帰るつもりですか? はい


だいたいこんなところです。
海外で日本語教師になりたいという方、他に知りたいという項目はありますか?

以前ツイートした内容ですが、まとめます。
台湾の日本語教師には、大きく分けて3つのタイプがあります。


1.純粋に日本語教師になるために来た人 
独身の若い人が多いです。男女います。
日本で420時間養成講座を受けてから台湾へ来ます。
日本語を教える技術があります。
しっかりした目標を持っていて、2,3年すると日本へ戻ります。
経験を積むためと割り切っているので、金銭面はあまり気にしません。
2.台湾人と結婚して台湾へ来たが、中国語ができず、他にできる仕事がないため、日本語教師をやっている人 
台湾人と結婚した日本人の奥さんが多いです。
日本語を教える技術はありません。
家事があるので、昼だけ仕事をしているという人が多いです。
日本へ帰らなければならないというプレッシャーがありません。
共働きなので、金銭面はあまりプレッシャーがありません。
3.何らかの理由で台湾へ来たが、 中国語ができず、他にできる仕事がないため、日本語教師をやっている人 
中年男性が多いです。
日本語を教える技術はありません。
日本へ帰りたいというプレッシャーがありますが、仕事のあてもなく、悲惨です。 金銭面のプレッシャーがあります。 台湾で自殺した人もいます。

僕は1崩れの3のパターンです。もともと、2,3年で日本へ戻ろうと思っていましたが、日本で仕事が見つからないので台湾にとどまりました。今は自分で仕事を作ろうと思っています。

うちの学校は、日本語教師になるのに、日本語教師の資格や経験はいりませんが、基礎レベルを教えるためには中国語の能力が必要です。中国語ができないと、高いレベルしか教えられず、給料が食べていけるレベルではありません。変な学校です。普通の学校では、日本語だけで教えられます。
普通の学校では、授業に中国語は必要ありませんが、もちろん日常生活のために、日常会話ができるようにしておいた方がいいと思います。

3の最悪な例をお話しします。今年実際に会った先生です。50代くらいの男性です。家族にも内緒で、日本から夜逃げしてきたそうです。昔台湾で働いていたことがあるので、台湾に来て、何でもいいから仕事を探していたら、うちの学校が雇ってくれました。当然、日本語教育の知識や経験は全くありません。中国語ができないので、基礎レベルが教えられず、授業が少なく、給料もとても暮らしていけるレベルではありません。しかも、日本に送金した後、一か月4000元で暮らさなければならなくなりました。毎日スーパーの安いパンとバナナだけで生活していたそうです。しかも、教える技術がないため、生徒からクレームが相次ぎ、1か月ほどで日本へ戻ったそうです。クビになったのか、自分から辞めたのかはわかりません。

もちろん、台湾でも採用時に日本語教師の資格を問わない学校はうちの学校くらいなもので、他はだいたいしっかりしているそうです。つまり、ほとんど1のタイプです。しかし、給料面ではうちとさほど変わりありません。2万元台が多いようです。台湾でも、生活が苦しいレベルです。多くの先生は副業を持っているようです。副業は定番の家庭教師から、翻訳、インターネットショッピング、パソコンを組み立てて売る、中国拳法を教える(逆に言えば、台湾人が日本人に空手や柔道を教えるようなもので変ですが)、などさまざまあります。

いろいろ厳しいことを書きましたが、お金に変えられないやりがいや、おもしろさがあるのも事実です。僕もこの9年間で、普通の日本人が経験したことのないような経験をたくさんしました。ただ、もし9年前に戻ってやり直せるとしたら、 台湾へは来なかった・・・かもしれません(笑)。