先日、台湾Yahoo!が、2011年度の十大ニュース(年度十大新聞)を発表しました。
「2011大事回顧 年度十大新聞」

第一位 東日本大震災

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こちらでは「311大地震」と呼びます。もちろんこの時、僕は台湾にいましたが、台湾のニュースはこの大震災一色でした。次々と届けられる悲惨な映像に、台湾中が釘付けでした。もちろん、原発が爆発しないか、台湾に放射能の影響が来ないか、というのも関心の的でした。



ツイッターでも書きましたが、一時は空港で、日本から来た人にガイガーカウンターで検査を行っていました。また、地震の後に日本留学を取りやめたり、中止して台湾に帰ってきた学生が大勢いました。

そして、台湾人は素早く行動を起こし、素早く巨額の義援金を集めて、日本を支援してくれました。



お金だけではありません。



とにかく、日本の大震災が台湾に与えたショックは、とてつもなく大きかったです。


2.有毒添加物入り食品が次々と見つかる

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長らく、台湾の食品は安全だと思われていたのですが、それを覆すような事件が今年起こりました。以前、中国で毒粉ミルク事件が発生しましたが、それよりさらに毒性の強い工業用薬品が、二、三十年も台湾の飲料に加えられていたのです。
この薬品は「塑化劑」(日本語では「可塑剤」)と言われ、 環境ホルモンの一種です。発がん性があり、食品に使うことは禁じられています。
しかし、コストが安いため、悪徳業者が飲み物の原料として使っていました。この事件が社会に与えた衝撃が大きかったのには、二つ理由があります。一つは、先にも書いたように、二、三十年も誰も気が付かずに飲み続けていたこと。もう一つは、こんな有毒な薬物が、多くの製品に使われ、その中には有名メーカーの製品も含まれていた、ということです。台湾に「統一集團」という大きな企業グループがあります。グループ内には台湾セブンイレブンや台湾スターバックスなども含まれます。その統一グループの製品でさえ、この 「塑化劑」 を使っていました。

実はこの後、ツイッターを通して、台湾の食品業界に詳しい日本人のフォロワーさんに話を聞きました。その人に聞くと、台湾の食品管理はまだまだだと言っていました。「起雲劑」(飲み物の原料の一つで、普通は棕櫚油を使うが、事件ではコスト削減のために塑化劑を使っていた)のような、「原料の原料」のレベルになると、まだまだ家族経営のような小企業が多く、管理が行き届いていない、と聞きました。ただ、この 「塑化劑」 事件が発覚した後、食品大手も管理の改善に乗り出したそうです。


3.スティーブ・ジョブズ死去

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台湾でもスティーブ・ジョブズの死去は大きなニュースになりました。
ただ、日本と比べれば、アップル製品のユーザー、アップル製品に興味のある人は本当に少ないと思います。iPhone4が出るまで、iPhoneを持っている人も少なかったように思います。台湾にはいまだに正式なアップルストアもありません。マック専用雑誌も、今年になって一誌発刊されましたが、それまではありませんでした。


4.誤ってエイズ患者の臓器を移植

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信じられない事件が起こりました。しかも、台湾大学(日本の東大に当たる)大学病院でです。
エイズに感染したドナーの臓器を、5人に移植しました。移植の際に電話確認で「reactive」(陽性)を「non-reactive」(陰性)と誤解したのが原因だそうです。移植を受けた5人はほとんどエイズ感染が確定したそうです。


5.曾雅妮(ツェン・ヤニ)が女子プロゴルファー世界ランキング1位に

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台湾人が世界のスポーツランキングの一位になるのは、史上初だそうです。台湾での人気はすごいです。アメリカ大リーグの王建民たちと並んで、「台灣之光」と呼ばれています。


6.ビン・ラディン殺害

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 ビン・ラディン殺害は、台湾でも大きなニュースになりました。
ただ、これは僕の個人的な感想で、逆にこちらが教えてほしいくらいなんですが、ビン・ラディン殺害が台湾にどういう影響を与えるのかがよくわかりません。911以後、アメリカと関係の深い日本やヨーロッパがテロの対象になる、という話がありましたが、台湾ではそういう話はありませんでした。
台湾は良くも悪くも国際的に孤立していて、いいこともあまり影響がないですが、悪いこともあまり影響がない気がします。たとえば、こないだの北朝鮮の金正日の死去。韓国、日本、中国に大きな影響があるのはわかりますが、台湾にはいったいどんな影響があるのか、よくわかりません。


7.映画「賽德克・巴萊」(セデック・バレ)大ヒット

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81年前、台湾原住民の賽德克族が、日本の統治に不満を持って反乱を起こした「霧社事件」をモチーフにした映画です。
この映画は、日本でも一部で有名な「海角七號」の魏德聖監督が撮影しました。 「海角七號」 だけを見て、 魏德聖監督が親日派だと思っていた一部の日本人は、「賽德克・巴萊」を見て、 魏德聖監督が変わったと思っているようですが、違います。 「賽德克・巴萊」は12年前から計画されていたものの、お金がなくて撮影できなかっただけで、 むしろ 「海角七號」は低予算で撮影できるから先に撮影した、というのが真相です。では、 魏德聖監督は反日派(こういう親日とか反日とかいう言葉の使い方は嫌いですが)なのか?それもまた違います。 魏德聖監督はただ、「台湾の歴史をより多くの人に知ってほしい」だけなのです。たまたま、台湾の歴史に日本が深くかかわっていて、時間と場所によって、全く違った役割を演じていた、と言うのが正確だと思います。
ですから、「賽德克・巴萊」は、一部の人が想像するような反日イデオロギー映画では全くありません。非常に公平な見方から、日本人と賽德克族を描いていると思います。また、多少長すぎるきらいはあるものの、映画そのものとしてもとてもおもしろい映画だと思います。ぜひ日本人にも見てもらいたいのですが、日本公開は難航しているそうです。
感想を書きたいとずっと思っているのですが、これも扱いが難しいので、ずっと先延ばしになっています。


8.ジャスミン革命、カダフィ失脚

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 これも国際ニュースなので、僕より皆さんのほうが詳しいと思います。


9.ヨーロッパ金融危機

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これも国際ニュースなので、僕より皆さんのほうが詳しいと思います。 
ただ一言付け加えると、台湾人は株やファンド、不動産など、投資をしている人が多いです。ですから、金融危機は単に給料や失業率の問題以外に、ダイレクトに台湾人に影響するようです。周りにも株が下がって嘆いている人が大勢いました。


10.冤罪による死刑が発覚

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1996年に、幼女をレイプして殺したという疑いで、1997年に死刑を執行された事件が、実は冤罪だったと今年やっと判決が出されました。事件は軍の中で起きたため、軍が捜査を進め、兵役中の江國慶を違法な取り調べで自白させ、すぐに死刑を執行しました。しかし、報告に疑いが多く、また真犯人と思われる人物の情報ももたらされました。2011年にDNA検査で、証拠のDNAと江國慶のDNAが一致せず、真犯人のDNAと一致することが分かりました。真犯人には18年懲役という「軽い」判決が下りました。
江國慶の家族には、約1億元(約2億6000万円)という巨額の賠償金が支払われました。しかし、これは税金から支払われたため、「軍が人を殺して、国民がその肩代わりをするのか」と物議をかもしました。

「江國慶案」(Wiki)