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Wikiから借りてきた台湾のタクシーの写真。写真と本文は関係ありません。


先日、日本人留学生をレイプしたタクシー運転手に、実刑判決が出ました。今日はこれをきっかけに、日本の皆さんに注意を促したいと思います。台湾の悪いことは書きたくないんですが、これはちょっと書かざるを得ません。

「日本人女子大生レイプ犯に懲役8年6月 台湾社会の怒りが法を改正」(産経新聞)
「性侵日本女生5萬交保 運將辯一夜情引眾怒」(自由時報)

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被害者が運転手に首を絞められた跡

台湾のニュース。被害者本人も出ています(台湾のニュースではよくあることです)。




調べてみたら、タクシー運転手の犯罪が山ほど出てきました。

1990/4 高雄市 井口真理子事件。日本人女子大生を殺害。遺体をバラバラにして捨てる。
1996/11 高雄市 彭婉如事件。レイプ、殺害。
2000  基隆市 女子中学生をレイプ、殺害
2005/1 台北市 日本人の母親が、11歳と6歳の娘を連れてタクシーに乗り、
      運転手が遠回りして、さらにテレビを見ながら運転していたので、
      注意すると殴られた。
       「惡司機!日僑母子三人當街被毆!」
2007/7 桃園県 乗客をレイプ、さらに家に連れ帰って監禁
2007/12 台北市 知的障害者をレイプ、さらに脅迫
2007/8  台北県 中国人女性を殺害、さらに遺体をバラバラにして捨てる  
2008/7  台北市 女子高生の下半身に指を入れる  
2009/7  台北市 タクシー運転手を中心とした強盗集団を摘発。
     酔った客を人気の少ないところに連れて行って金銭を奪い、女性客ならレイプ。
      被害者は少なくとも200人。  

2009/9 新竹県 15歳の家出少女の下半身に指を入れる  
2009/10 新竹市 ぶつかったスクーターの女性をわざと轢き殺す?
2009/10 台北市 乗客を轢き殺す

2010/1  台中県 強盗、3件のレイプ容疑でタクシー運転手を逮捕。
2010/4  台中市 日本人乗客と、目的地の聞き間違いからトラブルに。
      乗客は殴られて、頭蓋骨など複数骨折の大けが
      「拖出日客痛毆 運將判5月」
      LA12_003

2010/7 台北県 遠回りを指摘され、女性乗客を殴打
2010/9  新店 女子高生の乗客をレイプ  
2010/10 台北市 乗客に切り付け、殺害

2010/11 台北県 乗客をレイプ、6000元を盗む  
2011/4  台北市 「2元足りません」と言ったガソリンスタンド店員を殴る
2011/7  新北市 日本人留学生をレイプ 
2011/8  桃園市 乗客をレイプ
2011/10 新北市 麻薬を吸ってタクシーを運転   
2011/11 新北市 乗客を半年にわたって何度も呼び出してレイプ  
2011/12 宜蘭県 少女をレイプ  
2011/12 新北市 元彼女を32日間監禁、レイプ
追加
2011/12 台北市 遠回りされたので、余計なタクシー代は払いたくないと言ったら殴られた
      しかも被害者は女性
      600_85

(注:台北県は2010年12月に新北市と改名) 

どうしてこんなことになったかというと、台湾のタクシー運転手の27%には犯罪歴があることと関係があるようです。これについてはまた改めて書きます。
「消費者對計程車駕駛執業管理政策意見分析」 

犯罪まではいかなくても、わざと遠回りをする、などのぼったくりは日常茶飯事です。また、タクシーの交通ルール無視、たとえば赤信号無視、違法駐車、ウィンカーをつけないで曲がる、車線変更、他の車を追い上げる、幅寄せする、などによって、他のドライバーやバイクの運転者に対しても迷惑が掛かっています。



では、どうすれば安全にタクシーを利用できるのか?

安全なタクシーの利用法

大原則
「タクシーは道で拾うより、呼んだほうが絶対に安全」


これには理由があります。

1. ホテルや警察に頼んで呼んでもらえば、(比較的)安全なタクシー会社を呼んでもらえる
2.タクシーを呼んだ記録が残る

どこで、誰が、いつ、どの運転手のタクシーに乗ったかが分かります。
犯罪しても、すぐ自分だということがばれるので、運転手は犯罪できません。

ただ、絶対ではありません。現に、2010年11月のレイプは、呼んだタクシーの運転手によって起きています。
女性が酔ってタクシーで寝てしまい、起きたらモーテルにいたそうです。
酔ったらタクシーに乗らないほうがいいと思います。
「叫車也暗藏危機 台灣大運將性侵醉女」(蘋果日報)


タクシーの呼び方

1.ホテルか、警察に頼む
中国語ができない人向け。
警察に頼む場合は、“請幫我叫計程車”と紙に書いて、警察に渡してください。
2.セブン・イレブンの機械で操作する
セブン・イレブンのibonという機械でタクシーを呼ぶことができます。
「ibon就是計程車招呼站喔!」(画像の説明付き)
3.自分で電話をかける
中国語ができる人向け。
0800-055850(無料)
ただし、台北市、新北市、基隆市しか使えません。
「臺北市公共運輸處 ─ 叫車專線」(中国語の説明あり)
追加!!(HIROKI SUZUKIさんからの情報)
4.iPhoneのアプリで呼ぶ
大手タクシー会社が作ったアプリです。
   GPSで位置検索してくれるので便利です。
「iPhone手機叫車教學」


それでも、タクシーを拾わなければならない場合はどうするか?

安全なタクシーの見分け方と乗り方
1.もしタクシーが自分から客引きをしていたら、乗らない。
2.窓が汚かったり、外から中が見えなかったりしたら、乗らない。
3.内装が変だったり、飾り物が不快だったりしたら、乗らない。
4.ナンバープレートがなかったり、不明瞭だったりしたら、乗らない。
5.乗る前に右座席のシートが倒れている(誰かが隠れている可能性がある)か、
  他の人が乗っていたら、乗らない。
6.窓、ドアの取っ手がなくなっていたら、乗らない。
7.乗る前に、ドアが閉まっていないふりをして、運転手に「ちょっと待って」と声をかけ、
  車内からドアを開けてみる。もし取っ手に細工がされていれば気づく。
8.運転手が酒を飲んでいたり、服が乱れていたり、様子がおかしかったら、
  すぐに下車を要求する。慌てず、前の十字路か信号で降ろしてもらう。
9.運転手の後ろに座るのがよい。おかしいなと思ったら、
  すぐに反応して、ハンドルをつかんで交通事故を起こす。
  運転手が交通事故の相手と口論になるので、助かる。
10.黙ってタクシーのナンバーと職業登録証氏名を記録する。
   (必ずタクシーの前座席の背中に、運転手の名前と写真が貼ってあるはずです)
11.タクシーに乗るとき、友達に乗るところを見てもらい、ナンバー、会社を記録してもらう。
12.タクシー運転手が提供した食べ物や飲み物を口にしない。
13.隙を作らないように、車で寝ない。
14.できるだけ運転手と話をしないか、暖かい話題を中心にする。
15.様子がおかしかったり、運転手が路線通り走らなかったりしたら、携帯電話で助けを求める。
 補足。
1.黄色でなかったら乗らない。(いわゆる日本で言う白タク) 2.乗ったらすぐに電話で友達にナンバーと運転手の名前を知らせる。
  もし写真と顔が違ったら、すぐ降りる。
4.ドアが自動で開く場合は、乗らない。ドアをコントロールできる証拠。
  (台湾のタクシーは、自動で開け閉めできません。注意!)
6.個人タクシーはタクシー会社より安全。犯罪歴がある人は個人タクシーを運転できない。
  タクシー会社の運転手はほとんど犯罪歴がある。
  タクシーの上のランプが長方形なら個人、丸型ならタクシー会社。
自分で補足。
1.停まっているタクシーには乗らない。特に観光地。
  故宮博物館で待っているタクシーに乗ると、お茶を売りつけられることがあるらしい。
2.メーターのないタクシーには乗らない。
3.夜は出来るだけタクシーに乗らない。特に女性。事件のほとんどは夜。
4.酔ってタクシーに乗らない。
5.汚いタクシーには乗らない。
6.政治の話はしない。タクシー運転手は政治に熱心な人が多いので、ケンカになる。

それでも怪しいタクシーに乗ってしまったら?
1.携帯電話で電話をかける。運転手に聞こえるような大声で、車のナンバーと運転手の名前を言う。
2.運転手がラジオの音を大きくしたら注意!
  トランクに隠れている共犯者に対する合図なので、すぐに降りる。
3.その場で運転手と口論しない。
  運転手が無線で仲間を呼んで袋叩きにされる。
  運転手の名前とナンバーをメモして降りる。後でクレームを入れる。
クレーム先
「臺北市政府警察局交通警察大隊」 
(昼)(02)2394-9007
(夜)(02)2321-9166



ぼったくりが多いので、タクシー料金の相場を書いておきます。

タクシー料金相場
台北市(地方によって違います)
(1)初乗り1.25キロ70元、以後250mごとに5元加算。
(2)スピードが時速5キロより遅ければ、1分40秒ごとに5元加算。
(3)夜11時から朝6時まで、2割加算。別に20元加算。
(4)旧正月期間、昼も夜間料金と同じ、別に20元加算。夜は夜間料金+40元。
桃園空港から台北市まで
600元~800元
桃園空港からは、初乗り80元。 
貸し切り(中国語で「包車」(bao1 che1))
台北市内観光一時間400元(7人乗り、9人乗り)。
北部一日観光3000元~4000元


タクシー運転手の実情 掲示板の情報をまとめたものなので、信用性はわかりません。参考まで。

・他に就く仕事がない失業者、前科持ちがやっている。
・政府が免許を出しすぎ。前科があってもできる。政府が失業率を下げるための手段だ。
・前科持ちがタクシー運転手になれないようにするべきだ。
・タクシー運転手の免許を厳しくして、前科持ちをタクシー運転手になれなくしたら、
 本当に彼らができる仕事がなくなる。 それは彼らの生きる道を閉ざすことだ。 
 他の仕事をやれというけれど、 簡単なことではない。
・前科持ちがタクシー運転手になれなくなったら、犯罪するしかない。
・タクシーは犯罪の道具になりやすい。犯罪したらタクシーに乗れなくすべきた。
・どんな職業にも悪人はいる。一部の運転手が全体のイメージを悪くしている。 
・「運転手全員前科がありません」をセールスポイントにしたタクシー会社を作ったら儲かる。 
・タクシー運転手はヤクザと同じ。 
・バットを乗せているタクシーもある。
・日本でタクシーに乗った後、台湾ではタクシーに乗らなくなった。 
・給料が非常に低い。労働条件が悪い。
・もちろん政府も改善しようとしているが、まだまだだ。

正直、タクシー運転手もいい人が多いです。僕が乗ったタクシーの運転手も、大部分は親切でいい人でした。そういう大部分の善良な運転手に、偏見の目を向けさせるのは心苦しいです。ただ、わざと遠回りをする人もいたし、何よりこれだけ犯罪が多いと、注意を喚起せざるを得ません。
1990年に日本人留学生が殺されたときは、その後2か月の日本人観光客が10%も減ったそうです。せっかく今日本で盛り上がっている台湾熱に水を差したくないのです。
「井口真理子命案」(Wiki)

気を付けて、楽しい台湾旅行を楽しんでください。

大切な情報なので、お友達にも教えてあげてください。